<主題研究>道徳教育
研究主題
自己を見つめ,自らよりよい生き方を求め,実践する子を育む道徳教育
主題設定理由
長年に渡って道徳教育の研究を進めてきた本校の児童には,道徳性の育ちが見られる。「素直で明るく落ち着いている」「困っている仲間に優しい」「自他の命を大切にしようという気持ちをもっている」「自分の役割について責任をもって果たそうとする」などのよさがある。これは,地域や家庭の協力を基に,研究を継続してきた成果である。
特に,豊かな体験活動を含む他の教育活動と道徳の時間との関連を図った「総合単元プログラム」(1)を作成し,意図的・計画的に道徳教育を進めてきたこと,児童理解(2)をもとに心に響く道徳の時間の指導を目指してきたこと,児童が自らの成長を実感(3)できるようにする指導援助を大切にしてきたことが,道徳の時間の学びを生かしてよりよく生きようとする児童の姿につながっている。
(1)総合単元プログラム…道徳的諸価値について,道徳の時間と他の教育活動(豊かな体験,各教科,総合的な学習の時間等)とを関連させて構想した指導計画。
道徳性の高まりを描きながら,子どもの意識の流れを大切に1~2ヶ月程度の構想を立てる。
(2)児童理解…児童の行為と意識をとらえその要因をさぐることで,一人一人の道徳性を共感的に理解すること。
(3)成長の実感…児童が,自分の道徳性の育ち(心の成長)を実感すること。
自分の成長を実感した児童は,自己肯定感や自己課題をもちよりよく生きようとするという考えから,成長を実感できるような指導・援助を行う。
道徳教育は,要となる道徳科の時間を中心に,学校の教育活動全体を通じて行うものであるため,本校では「総合単元プログラム」を作成し,道徳科の時間と他の教育活動の関連を明らかにして道徳授業を行ってきた。道徳的諸価値について総合単元プログラムを作成し意図的に指導していくことは,児童の意識や行為を高めることにつながることが明らかになってきた。さらに,コミュニティ・スクールの特性を生かして,地域と連携した意図的な道徳教育を試行している。それによって児童の自己肯定感やふるさと笠松への誇りと愛着が高まりつつある。
しかし,向上心をもってたくましく生きる子を育成するためには,自分の考えをもちながらも相手を尊重し,よりよい方法を見つけ実践する力を付ける必要がある。そこで、物事を多面的・多角的に考え、自己の生き方についての考えを深める発問や学習活動ついての実践に取り組み始めたところである。
以上をふまえ,研究テーマを「自己を見つめ,自らよりよい生き方を求め,実践する子を育む道徳教育」とし,「道徳性を育成する道徳科の時間の在り方」に重点をおいて研究を進めていく。